革張りベンチ
年明けから忙しくさせていただいております、いす張り工房AMANOです。
もう2月になりますね。
今回の報告は、
昨年いただいたお仕事で、いつも何かとお世話になっているLEONさんからの依頼でした。
ベンチタイプのソファの製作で、背もたれと座面が分かれていてどちらも革張り。
張り方も少し変わっており、革を切った切り口を見せる張り方です。
文章で書いても、「ん?」って感じだと思うので、
通常はミシンをかけた”縫い代”は内側にくるので、こういった仕上げはあまりしません。
今回はこういう仕上がりのイメージでということだったので、できるだけイメージに近くなるようにしました。
ミシンがけにいつも以上に気を遣いました。
こんなに疲れたミシンがけはなかなかありません(笑)
仕上がったベンチはこのようになりました。
後ろも見てもおかしくないようにしています。
この端の処理が難しかったです。
フレームも細身でスタイリッシュな印象に仕上がっていました。
僕はお客様にはお会いしていないので直接感想は聞けませんでしたが、
LEONさんから、気に入ってくれたみたいだよと聞いてほっとしました。
普段とは違うやり方は、悩むし時間がかかるし難しいことばかりですが、
自分なりのゴールへ向かって進めていく感覚は刺激的でした。
仕上がったものを見ると、より達成感も感じますしね。
これからもチャレンジ精神を忘れずやっていこうと思わせてくれました。
でもこんなに気を遣う仕事は年に一回くらいでいいかも(笑)
手書き
工房の中なのに、吐く息が真っ白ないす張り工房AMANOです。
お仕事報告があまりできずに溜まっていき、
なかなか新鮮な情報として書けていません。
随時仕上げ終わった仕事の報告をしていきたいと思いますが、
たまには現在進行形の報告を。
張り替えのお仕事もしながら、図面を書く機会がここ最近増えてきました。
というのも、オーダーソファの製作依頼がいくつかあり、
提示用や製作図面などいくつか物件ごとに書いています。
題名にもありますが、今時手書きです。
手書きで書かざるを得ないということもありますが、
個人的に手書きのが好きです。
手直しが大変だったり、時間かかってしまうんですけど。
それでも手書きで書いた図面を見ると、なんかいいんです。
って言いながらCADでバリバリやってたりして。
これから図面を元に骨組みの準備に入ります。
また製作のお仕事報告させていただきますので、しばしお待ちを。
N様一人掛けソファ張り替え
全国的に厳しい寒波が続いてますね。
こちら石川県も大粒の雪が強風に乗ってやってくるといった状況です。
寒さ対策、雪対策をして乗り切りましょう!
そんないす張り工房AMANOの寒さ対策は、
「とにかく厚着と体を動かす」です。
久しぶりにお仕事のご報告をしたいと思います。
肘つきでゆったりとした厚いクッションを背もたれに置いた一人掛けソファです。
汚れや破れが目立ってきて、買い替えも検討したが他に気にいるものがなく、
張り替えできるのなら張り替えて使いたいとのことでした。
張り替え前の写真を撮り忘れてしまったので、張り替え前の状態をご説明。
カバーリング仕様の一人掛けソファで、色はベージュ。
全体的に日焼けや汚れ、破れ、カバーリングのめくれが見られていました。
パーツごとに分解できる作りだと判断したので、それぞれを張り込みの仕様に変更させていただきました。
そうした方がカバーリングのようにめくれてくることもなく、張りも出るのでシャンとした仕上がりになります。
そうして張り終えたものがこちら、
ガラッと雰囲気を変えて濃いブラウンにイメージチェンジ。
とても落ち着いたよりゆったり座るイメージになりました。
本来はこれに脚が付いたものが完成なんですが、納品時に邪魔になってしまうので、外したままになっています。
納品の際、ガラッと変わったソファに驚きながらも喜んでいただけました。
脚の取り付けで少し手間取ってしまいましたが、無事収めることができたんですが、納品した完成写真も撮り忘れてしまうというミスを・・・。
急いでいるとたまにやってしまうんです。反省。
自分専用のソファを自分の好みにカスタマイズするというのもいいですね。
張り変わったソファでまたくつろいでいただければと思います。
さぁ、今日もまたぶくぶくに着膨れして仕事に励みます。
無駄に体を動かしながら。
私の道具 その1
工房の壁に打ち付ける霰(あられ)で壁に穴があきそうないす張り工房AMANOです。
もうすでに何箇所か穴空いてます(照)
お仕事の報告もいくつかありますが、
今回はそのお仕事をいつも支えてくれている僕の道具を紹介させていただこうと思います。
まずは、
「工業用ミシン」
縫製をせずに張ることもありますが、ほとんどの仕事はファブリックや合皮などの張り地を縫製するという作業が発生します。
そこで活躍するのが、工業用ミシンです。
張り地は厚いものが多く、さらに重なった部分を縫うこともあるのである程度のパワーが必要になります。
工業用と言うだけあってパワーもありながらスピードも早い。
これがないと仕事になりません。
実はこのミシン、僕が修行時代に、一人でいす張りをやっておられた大先輩が引退されるということで譲っていただいたものなんです。
おそらくこのミシンは僕より年上(笑)
でもまだバリバリの現役です。
こうやって、道具が譲り譲られて別の場所でまた活躍するということは、この業界ではよくあることです。
巡り巡って今は僕の工房で僕の仕事を支えてくれていると考えると感慨深いものがありますし、大事に使い続けていきたいと思わせてくれます。
他にも色々と紹介したい道具がありますので、またいつか紹介させていただきます。
見た目通り、めちゃくちゃ重たいです。
持ち上げる時は腰に注意しましょう!
本年もよろしくお願いいたします。
本日より2017年の業務を開始致しました。
毎度おなじみいす張り工房AMANOです。
本年も精一杯頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ブログの更新ももう少し頑張ってやっていきたいと思います。
ちょっとカッコつけて工房前で写真を撮って加工して遊ぶ(笑)
こんな遊びも織り交ぜつつ・・・。
いす張り工房AMANOの2017年がスタートします。
2016→2017
2016年も残すところあと数時間となりました。
2016年は以前勤めていた会社を辞めた年であり、生活の場が変わった年であり、いす張り工房AMANOを立ち上げた年でもあります。
特にこれといった準備をせずに見切り発進をしましたが、
運よく周りの方々からお仕事をいただけたり、自分の仕事を発信できる場を設けていただいたりと、開業後からスムーズに動き出すことができました。
そして背中を押してくれた家族の存在が何よりの支えでした。
とても恵まれた環境と周りの方々の助けがあったおかげです。
ありがとうございました。
また、まだ立ち上げたばかりで信用も何もない状態の自分に、信頼してお仕事を託してくれたお客様にも本当に感謝しています。
開業してからあっという間の8ヶ月、そして2016年。
自分にとっては変化が目まぐるしく思い入れ深い年となりました。
これからも精一杯自分にできることをやり、満足していただける仕事をしていきたいと思います。
2016年は大変お世話になりました。ありがとうございました。
2017年もどうぞよろしくお願いいたします。
いす張り工房AMANO
天野達也
S様邸オーダーソファ
すっかり冬の季節になってきました。
ホカペの偉大さを実感する今日この頃、いす張り工房AMANOです。
先日納めた仕事のご報告。
石川県野々市市にあるインテリアショップ「WELLSPRING」さんから、
新築住宅に設置する造り付けのソファの製作依頼をいただきました。
お施主さんの要望や設置する場所の条件を考慮して図面を書くことからスタート。
実寸の図面を書いたり、実寸模型にゴムをつけて座り心地を確認したりと、
少しずつ形を作り出します。
最終的な仕上がりの寸法や張り方から逆算をして、木枠の形を決めます。
そうして作った木枠がこちら
バネを取り付けるためのスペースや張り地を引き込むための溝など、
どういう仕上がり、張り方のしたいかを考えて作ります。
バネを取り付け、ゴムを接着するとこんな感じに、
腰が当たる位置を少し膨らませることで、座った時に姿勢良く楽に座ることができます。背もハイバックにして肩まで支えることができます。
他の木枠にも全て同じようにゴムを接着し、型を出して張り地を裁断縫製し、
張りの作業をします。
張りの様子をタイムラプス撮影してみました。
3分半ほどの動画ですが、よければご覧下さい。
全てのパーツを張り終えて並べ、
隣り合うパーツの高さなどが揃うことを確認してほぼ完成です。
ダイニング用
ブラウンのレザーで張り上げました。
革のように落ち着いた雰囲気に仕上がりました。
リビング用
こちらはファブリックを張っています。
背と座を色違いで張ることで、少し遊びが入りカジュアルな雰囲気に仕上がりました。
並べた時の高さや隙間もなく一安心。
出来立てホヤホヤの新築住宅へ納めるとこんな感じに、
リビングの一角にピッタリ収まりました。
ソファ下は収納になっています。
ダイニングは壁の間にすっぽり入ります。
インテリアはとてもカッコよく、まるでお店のような印象でした。
というのも、インテリアはカフェをイメージして作られていました。
お施主さんには直接お会いできませんでしたが、担当の方には
「これヤバいですね」
とお褒めの言葉をいただけました。
フルオーダーというものの面白さと難しさを改めて教えられた機会となりました。
ただ、収まりを見た時の達成感、充実感はなんとも言えないものですね。
とにかく、とにかく無事納まってよかった〜。
もうそれに尽きます。