いす張り工房AMANOの作業日誌

石川県小松市を拠点に、ソファ・いすの張り替え事業を主に行っている「いす張り工房AMANO」です。 いす張り工房AMANOとはどんなことをやっているのかを、仕事の近況報告や思ったことを書くことで知ってもらえればと思い、不定期にはなりますが更新していきたいと思います。

K様ソファセット張り替え

ここ数日、太陽を拝んでいない気がするいす張り工房AMANOです。

まだまだ梅雨っぽい時期が続いてますね。

 

今回も張り替えのお仕事の紹介です。

 

長年使われているソファセットの破れや、座面の落ち込みがひどくなってきた

との事でお問い合わせいただきました。

 

張り替え前のソファは、

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片肘・・・・2脚

肘なし・・・2脚

コーナー・・1脚

で構成されている本革張りの立派なソファセットです。

座面の落ち込みを、下に座布団を入れて対処している状態でした。

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このように縫い目から裂けています。

 

長年使っているから愛着もあるし、部屋の間取りにぴったり収まっていて、

背もたれが高くて座りやすいからできれば直して使い続けたいとのことでした。

 

工房に持ち帰り、張り地をめくって劣化したクッション材を交換・補修したり

座り心地を確認しながら修繕していきました。

やはり中身の劣化が激しかったため修繕に時間がかかりました。

 

元の張り地の型から新しく型紙を作り、新しい張り地を裁断縫製していきます。

 

それぞれ張り上げて並べると、

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全体的にボリューム感が出て、しっかりとお尻を支えつつ柔らかさもある

座り心地を作り出すことができたと思います。

 

張り地も明るいグレーからモスグリーンのような濃いめの色合いに変わった

ので、全体的に重厚感が増して落ち着いた雰囲気になりました。

元の張り地と同様に本革を使用したので、

革の風合いもより高級感を出しています。

 

K様のご自宅へ納めると、

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お部屋の雰囲気にもとても馴染んでいて、以前よりもグッと引き締まった

印象になりました。

 

K様には、新品みたいになってびっくり。座り心地も良くなって、

お願いしてよかったというお言葉を頂けました。

 

座り心地に関しては、立ち上がりやすさや安定感を意識して

クッション材の交換・補修をしたので、そこが喜んでもらえたポイントに

なって嬉しかったです。

 

これからも快適なリビング生活を生まれ変わったソファと共に

過ごしていただければと思います。

 

 

N様ソファセット座面カバー

珍しく前回の投稿からあまり日にちを空けずに投稿です。

・・・暇だからじゃないですからね(笑)

 

お仕事を順番にお知らせしていきたいと思っているので、

毎度少し昔の話になってしまいます。

 

今回は張り替えとは少し違うパターンのお仕事です。

 

仕事場で使っているソファセットの座面がひび割れてきたとのことでした。

セットのうち状態がひどい一脚のみの作業です。

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N様のご要望やご予算、使い方などから今回は現状の座面の上にカバーのように

張る方法で作業を行いました。

 

このまま張り地をめくらず型を取り、ミシンをかけ、張るとこのように。

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被せるだけというわけにはいきませんので、

下地がある部分でタッカーで留められるような仕様にしました。

 

カバーリングと張り込みの中間といった感じでしょうか。

パッと見た感じでは被せただけとは分からないかもしれません。

 

通常は劣化した張り地はめくり、ゴムを補修・補充して新しい張り地で張ります。

今回はイレギュラーな方法ではありますが、

N様のイメージに近づけたかなと思います。

仕上がりには満足していただけました。

 

お客様一人一人、それぞれの使い方や価値観があります。

お話を聞く中で、一人一人に合うと思う方法などを提案させていただいています。

 

まだまだ仕上がりを完璧に説明できる表現力や語彙力が足りず、

どうやって言ったらいいんだろうと思うことも多々ありますが、

精一杯伝えさせていただきます。

 

また、つい先日残りのソファセットの作業もご依頼いただきました。

前回と同じように被せて張るという方法です。

 

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次破れたら買い替えだな〜とおっしゃっていたので、

少しでも長くもってくれればと思います。

Y様ダイニングチェア張り替え

開業してすぐくらいの時にダイニングチェアの張り替えのご依頼をいただいたY様。

残っていた残りのダイニングチェアの張り替えのご依頼をいただきました。

 

張り替えるダイニングチェアは2脚。

Y様のお子さん二人がそれぞれ好きな張り地を選ばせたいとのことでした。

 

小学生くらいのお嬢さん二人と一緒にY様が工房へ来てくれました。

「ここは何するとこだろう」

といった感じで工房の中をキョロキョロしていましたが、

姉妹仲良く色合いを合わせながらそれぞれ好きな張り地を選んでくれました。

 

張り替えるダイニングチェアはこちら、

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前回張り替えさせていただいたダイニングチェアと状態は同じでした。

表面がボロボロになって剥がれてきています。

 

元の張り地を丁寧にめくり、ゴムの補充をして型を取っていきます。

そして2脚それぞれ選んでもらった張り地で張ると、

 

1脚は薄いピンク、

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もう1脚は薄いベージュ、

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元が黒色だったため印象がガラッと変わり、可愛らしく仕上がりました。

張り方も少し変えたので、今後はパーツごとの張り替えも可能です。

 

お子さんが自分で選んだものが椅子になるという経験はなかなかないものですよね。

僕自身もとても素敵な経験をさせていただきました。

何よりお姉ちゃんと妹ちゃんがそれぞれ好みだけで選ぶのではなく、

一緒に置いて合うものを話し合って選んでいる姿が印象的でした。

 

これからも仲良く隣り合わせで使っていってもらえると嬉しいです。

 

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N様ベンチソファ張替え

気がつけばもう6月も折り返し。

またひとつ歳を重ねたいす張り工房AMANOです。

 

ご無沙汰となっておりましたが、久しぶりに張替えのお仕事の紹介です。

 

ご自宅で使われていたベンチタイプのソファがボロボロになっているので、

張替えれないかというお問い合わせでした。

 

表面が劣化して剥離しており、中身のクッション材もヘタリが激しい状態でした。

 

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クッション材の交換をして張替えを行いました。

張り地はガラッとイメージを変えて明るいグリーンへ。

 

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もともと3等分に縫い分けてあった座面を一枚でフラットに仕上げました。

座る部分は、長く保たせるという意味合いからも縫い合わせをせずに仕上げることを提案させていただきました。

縫い目というのはどうしても弱い部分になってしまいますので。

 

見た目もスッキリ仕上がりました。

 

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同じものが2脚あってコの字型に並べてお使いになっていました。

色合いが明るく爽やかになってお部屋の雰囲気も明るくなった気がします。

 

N様から直接感想を聞くことはできませんでしたが、

気に入っていただければ幸いです。

たかが・・・されど・・・

1年前の今日、いろんな気持ちを胸に開業届を提出しに行きました。

 

あれからもう丸1年が経ちました。

 

僕の体感としては、

 

あっ!

 

と言う間です。

 

でもすごく昔のことのような気もします。

 

それだけ忙しくさせていただいたということでもあり、

 

たくさんの経験をさせていただいたということでもあります。

 

 

これは両親から常日頃言われる言葉ですが、

 

「感謝することを忘れないように」

 

いろんな人の力を借りて今の自分があるということ、

 

忙しいと思えるほどお仕事をいただけるということ、

 

この言葉の重さを改めて感じる日でもありました。

 

長い目で見たら、たかが1年ですが、

 

この繰り返しが、この先何十年という継続につながると考えれば、

 

されど1年です。

 

これからも変わらず、今の自分にできることを精一杯やっていきたいと思います。

 

まだ産声をあげたばかりの1歳児、

 

よちよち歩きのいす張り工房AMANOをこれからもよろしくお願いいたします。

 

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Clubism 5月号 掲載されました!

作業していると、暑くて汗をかく季節になってきました。

心なしか動きもスムーズになってきた気がする、いす張り工房AMANOです。

 

今回は新鮮なお知らせ。

 

4月20日に発売された、「Clubism」5月号の「リペアの魅力」という特集にいす張り工房AMANOを取り上げていただきました。

 

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縁あって声をかけていただき、取材・撮影を経て掲載となりました。

 

椅子張りの簡単な紹介や、張り替えをさせていただいたお客様の言葉と事例紹介が主な掲載内容です。

 

これを機に、こんな仕事があるんだと認識してもらえれば嬉しいですね。

 

今日までに、記事を見たという方からいくつか連絡をいただいています。

雪が降る中取材と撮影に来てくれた雑誌担当の方やカメラマンさん。

事例紹介にご協力いただいたお客様や取引先の方など、掲載に至るまでたくさんの方にご協力いただきました。

 

ありがとうございました。

 

あと数日で開業からちょうど1年を迎えます。

このタイミングでこのような機会に巡り会えて素敵な記念となりました。

 

これからも様々な要望に応えられるように頑張っていきたいと思います。

 

石川県の書店やコンビニエンスストアなどで販売されていますので、よければ手にとって見てください。

他の記事もとても魅力的ですよ。

 

5月号の表紙は、今話題の俳優さんです。

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M様邸造作ベンチソファ

久しぶりのブログ更新。

ここ2ヶ月ほど時間に追われるお仕事が続き、バタバタと過ごす日々が続いております。

ペース配分がうまくできない自分のスケジュール管理のできなさに頭を悩ませるいす張り工房AMANOです。

その分、手と体をフル稼働してます!

 

今回はここ最近のお仕事の報告です。

住宅のダイニングスペースの一角に造作のベンチソファを製作させていただきました。

 

デザインはある程度決まっていたのですが、ダイニングで食事をするときに使用するので、座り心地は硬めがいいということだったのでクッションの構成も硬めで選びました。

張り地は、テーブルを挟んで対面に置くダイニングチェアの張り地に近いものを選びました。

 

今回の製作で最も気にかかったのはベンチソファの幅。

壁と壁の間に収まる形なので、大きすぎると入らず、小さすぎると隙間が空いてみっともないということになってしまいます。

 

ある程度出来上がった現場に行き、寸法採りをしてから製作に入りました。

 

そして納め終えたベンチソファはこんな感じです。

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ベンチソファの下は収納になっていて、その上に設置するという形です。

収納の幅に合わせて3分割して作り、現場で並べて納めました。

 

納めるまではちゃんと収まるかドキドキ。

ですがしっかり隙間なく納めることができました。

 

両サイドのベンチを置いてから真ん中のベンチを前から差し込んだのですが、

ゆっくりスーッと気持ちよく入っていく瞬間を見ていた担当の方や他の職人の方からは拍手をいただきました。

自分も心の中でガッツポーズしてました。

 

今回のように建物の間取りや設置場所の形状が影響してくる場所への設置は、しっかり図面を確認して、現場も確認することがとても重要だということが改めて分かりました。

 

ただ、どれだけチェックしてもドキドキするものはドキドキするんですけどね。

無事収まった後のなんとも言えない開放感は病みつきになりそうです(笑)

 

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